1. 英文を二つに切り離す

リンゴをナイフで真っ二つに切る・・・

それと同じようなことを、英文についてやってみます。
ただし、ナイフの代わりに本動詞の"do"を使って切り離します。

リンゴのように英文を切り離す!

例文として、" I drank milk with breakfast this morning." 「私は今朝朝食時に牛乳を飲んだわ」 について考えます。

この英文を本動詞の"do"で切ると、次のようなPartAとPartBに分かれます。
ナイフの代わりに使った本動詞"do"は青字で示してあります。

例文1:
" I drank milk with breakfast this morning."
「私は今朝朝食時に牛乳を飲んだわ」

さらに次の二つの例文を切り分けてみましょう。

例文2:
"He won't go to the office tomorrow."
「彼は明日は出社しません。」

例文3:
"Do you brush your teeth every morning?"
「君は毎朝歯をみがいてるの?」

Part Aはその英文の構造を表しているので、「構造部」と呼ぶことにします。
Part Bはその英文の中身を描写しているので、「描写部」と呼ぶことにします。

  英文 = 構造部 + 描写部

このように英文は二つのパート、構造部と描写部 、の足し算として表されます。

2. 日本人が苦手なのは「構造部」

私たち日本人は何年間英語を勉強しても、なかなか英語を話せるようになりません。

日本人が英語を話せない原因は「構造部」にあります

日本人の脳内には、英語の「構造部」を構文化する回路が存在しないのです。

多くの人は「自分はボキャブラリーが足りないから、英語を話せないんだ」と思っています。
ボキャブラリーが関係するのは「描写部」です。
ボキャブラリーを増やして「描写部」の表現力を増していけば、自分は英語が話せるようになるだろう、と考えているわけです。

しかし「ボキャブラリーを増やせば英語が話せるようになる」という考え方は、実は正しくありません

その証拠に、TOEICで満点を取っている日本人でも、「自分は英語を話せない」と言っている人が何人もいます。
TOEICで満点を取れるほどボキャブラリーを充実させても、必ずしも英語が話せるようにはならないのです。

「構造部」を瞬時に構文化する脳力を育てないと、日本人は英語を話せるようになりません。

3. 英語の「構造部」とは?

英語の構造部とはどんなことを表しているでしょうか。
上で見た三つの例文の構造部は、以下のようになっていました。

例文1の構造部 :    I did.
例文2の構造部 :   He won't do.
例文3の構造部 :   Do you do?


これら構造部はいったいどんな内容を表現しているでしょうか?

まず気が付くのは、その英文が「肯定文、否定文、疑問文」のどれか、ということです。
この区別のことを、ここでは「文章の種類」略して「文種」と呼ぶことにします。

次に、その英文の主語が「一人称、二人称、三人称」のどれか、です。

最後に、その英文の時制が「現在形、過去 形 、未来形 」のどれか、ということです。

上の三つの構造部はこれら以外のことは何も表していません。

要するに英語の構造部とは、文種、主語、時制という三つの要素を表すために存在するパートなのです。

次に、その英文の主語が「一人称、二人称、三人称」のどれか、です。

最後に、その英文の時制が「現在形、過去 形 、未来形 」のどれか、ということです。

上の三つの構造部はこれら以外のことは何も表していません。

要するに英語の構造部とは、文種、主語、時制という三つの要素を表すために存在するパートなのです。

4. 9マスパネル

構造部とはその英文の文種、主語、時制という三要素を決定するパートのことでした。

文種には「肯定文・否定文・疑問文」という三つの成分があります。
主語には「一人称・二人称・三人称」という三つの成分があります。
時制には「現在形・過去形・未来形」という三つの成分があります。

これら全部で9つの成分を9個のマスで表し、以下のようなパネル上に並べます。

3行3列に9個のマスが配列されています。
9個のマスは、上の行から順に「文種」「主語」「時制」を表しています。

3Key Trainingとは「三つのキーによるトレーニング」という意味です。
そして三つのキーとは「文種」「主語」「時制」のことを指しています。

これを『9マスパネル』と呼びます。
9マスパネルは国内特許を取得しています。

5. 9マスパネルで構造部を表す

この9マスパネルを使って、次のように構造部を表します。
文種が肯定文、
主語が一人称、
時制が現在形、
このような構造部は次の9マスパネルで表されます。
そして構造部の表す英文は、"I do."になります。

もう一つやってみましょう。
文種が疑問文、
主語が二人称、
時制が未来形、
この構造部は次の9マスパネルで表されます。
構造部の表す英文は、"Will you do?"になります。

6. 「動詞+目的語」の表し方

英文 = 構造部 + 描写部

ここまでで「構造部」を9マスパネルで表すことができました。
残るは「描写部」です。

描写部の核となるのは「動詞+目的語」です。

例として、次の三つの 「動詞+目的語」 を考えます。

フレーズ1:  "have a pen"「ペンを持っている」
フレーズ2:  "have a dog" 「犬を飼っている」
フレーズ3:  "eat sushi" 「お寿司を食べる」


まず"have" "eat" などの動詞を、ピクトグラムで表します。

次に目的語は、イラストで表すことにします。
そして「動詞+目的語」のフレーズ

フレーズ1:  "have a pen"

レーズ2:  "have a dog"

レーズ3:  "eat sushi"

7. 前置詞の表し方

前置詞もアルファベットを使わず、アイコンで表します。

ここでは"in" "on" "at"のアイコンを紹介します。

赤い円は前置詞にとっての主語、青い正方形は前置詞にとっての目的語を表しています。

"in"は、青い正方形の中に赤い円の中に在る状態を表しています。
"on"は、 青い正方形と赤い円が接している状態を表しています。

"at"のアイコンにある、右向きの青い矢印は「時間の流れ」を表しています。
青い正方形はその原点を表していて、赤い円の主語は、原点の真上にあります。
"at"のコアイメージは「点の真上」です。よってこのアイコンが"at"になります。

8. ランチボックス

ここまでで、以下の英文要素の表し方を一つ一つ説明してきました。

・文頭部を表す9マスパネル
・動詞を表すピクトグラム
・目的語を表すイラスト
・前置詞を表すアイコン

いよいよこれらを合体させて、英文全体の表し方を説明します。

下のような図を『ランチボックス』(Lunchbox)と呼びます。
蓋を開けたお弁当箱に例えています。

ランチボックスは英文の設計図です。
上から下へと読み取りながら、英文を組み立てていきます。

上のランチボックスを上から下へ見ながら、英文を組み立てます。

❶上段の9マスパネルを見て、"Does she do?"

❷中段の "have a dog" を足して、 "Does she have a dog?"

❸下段の "in her apartment" を足して、"Does she have a dog in her apartment?"

これで英文が完成しました。

ここで重要なのは、❶⇒❷⇒❸ の順序が、英語の語順で英語を組み立てている、ということです。

従来の英作文は日本語で原文が与えられ、それを翻訳して英文を作文します。
これだと、「日本語⇒英語」の過程で、語順を入れ替える必要があります。

ランチボックスによる英文組み立ては、 ❶⇒❷⇒❸ の順序で英文を作りますから、語順を入れ替える必要がありません。
だから 3Key Training® は、直接英語で発想する訓練になるのです。